俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


「さっさと消えてよ、泉くん♪」



ダッとこちらに駆けて来る雅。
咄嗟にガードするために拳を作り、身構える。


クソッ……!

本当に雅と戦うハメになるなんて……!


とは言え、雅は殴れない。避けるだけだ。



「ホラ、どうした!殴って来いよ!」


「仲間は……っ、殴れない……!」


「裏切ったのに、仲間もクソもないだろ!?」



そうなのか?

本当に、そうなのか?


本当に雅はあたし達を裏切ったの!?


全く実感が沸かない。


なんでなんだだろ…―――?



「正直、仲間とかダチとか……めんどくさかったんだよね」



あたしに向かってパンチやキックを繰り出して来る雅。