信じてる。
雅のこと、信じてる。
だけど。
あたし達が雅の指示によって導かれた、この場所でケガした事実は変えようがない。
ここに、あたし達を導いたのは間違いなく雅なのだから。
「雅に会いに行こう」
それしかない。
雅と会って、話さなきゃ。
「ああ」
「遥は今すぐ病院に行け。恭輔呼ぶから、連れてってもらえ」
「は?何言ってんだよ!俺も行くし…っ」
ほらほら。
大きな声出すから。
響いて痛いんだろ?
「足手まといだから」
病院に行け。
「雅とは話すだけだろ?それなら足手まといにはならない」
――だって、雅とは戦わないだろ?
――だって、雅は俺達を裏切ってないんだから。
「………もしも、の時」
どこまでも真っ直ぐな遥。
どこまでも真っ直ぐ雅を信じている。



