俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


「なんだって?」



【遥と一緒に○○の工場に来て】


そう書かれてあるメールを遥に見せた。


確か……



「〇〇の工場って、廃墟されてる工場だったよな?」


「ああ。……何でそんなとこに……?」



眉を寄せて考え込む遥。



―――フラッシュバックする、あの日。


あたしが親友二人に裏切られたあの日も、こんな風に不自然なメールが送られて来たんだ。


嫌な予感がする。


まさか、雅もあたし達を…―――



「泉」



そう肩に手を置かれ、ハッとする。



「雅に限ってソレはあり得ねぇよ」


「うん」



そう……だよな。

雅があたし達を裏切るなんて。


一瞬でも疑ったあたしは……馬鹿だ。