男子Aを何発かタコ殴りした後。
男子Aの胸ぐらを掴んで引っ張り、顔を近づけた。
「金輪際、真菜に近づくな」
「はい……」
「わかった?」
「は、はい……!!」
掴んでいた制服を手放すと男子Aは逃げるように去って行った。
たくっ……
「大丈夫か?」
「…………」
えっと……何でそんなに鋭く睨まれなきゃならないのかな、あたし。
「お礼は言わないから……!」
「うん」
「だって、頼んでない…し……!」
「うん。いーよ別に」
お礼を言わせるためにアイツを殴ったんじゃないから。
あたしがムカついたからアイツを殴った。
ただ、それだけ。



