俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


おもむろに、真菜の後ろ姿を視界に入れながらその集団に近づいた。


その刹那。男子A(名前がわからないので)が真菜の肩を勢い良く突き飛ばした。


そして、向かって来た真菜の体を咄嗟にあたしは支えた。



「なっ……!」



何でアンタが?とでも言いたげな、間近にある真菜の顔がみるみる赤く染まっていく。


オマケに涙でウルウルした瞳。男ならグッとくる仕草だ。


けれど!

あたしはお生憎、女ですから。



「俺、弱いもんいじめとか……大嫌いなんだよね」



真菜をゆっくり座らせると、あたしはスクッと立ち上がった。