俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


あれ?

なに、このチクッとした胸の痛み。



「おい、泉!こっち来いよっ」


「お、おう!今行く…っ…」



助け船を出してくれたのは遥だった。


だけど気分は優れないまま。


もしかして、あたし……

沙羅ちゃんを好きになった?


……って、んなわけあるか!



「ははっ、なに、どうしたの?」


「へ?」


「しかめっ面」



そう、真っ黒い髪にピンクのメッシュを入れた髪型をしている雅があたしを見て笑っていた。


わ、笑うな!



「雅は可愛い感じの女顔だけど、泉は美人って感じの女顔だよな」



そう言ったのは転校初日に早速ケンカをしたクロだった。


クロって言うより、クマの方が合ってるような……。