「お。雅、泉おはよー!」
「泉くん!おはようっ」
教室に入るなり、みんなが挨拶をしてくれた。これも見慣れた風景。
女子の目がハートになっているのは、苦笑いをして回避。
というか、気づいてないふりをする。
でも苦笑いしても頬を赤らめられるから、参るんだよなぁ。
遥に聞いたら、あたしの苦笑いは微笑みに見えると言われた。
どうやら逆効果らしい。
恋のスペシャリストである遥が言っているからそうなんだろう。
「ねぇ、泉くんってどんな子が好みなの?」
カバンをロッカーに直していた時だった。
気づけば女子3人に囲まれていた。
あたしの好みを聞いてどうすんの。
女だよ、あたし。



