俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



◇ ◇ ◇



もう、終わったのか。


煙草一本を吸い終える前に遥達と先輩達のケンカは終わりを告げた。
屋上の冷たいコンクリートに頬をつけて、息を切らした先輩たちの情けない姿を見下ろす。



「悪いけど先輩……」



口にくわえていた煙草を落とす。



「頭に学年なんて関係ねぇ。その学校で一番強い奴がその学校の頭だ……」



そして落とした煙草を踏みつけた。



「この世界は下剋上で成り立ってんの」



そう言って俺達〝桜〟は自分達の教室に向かって歩き出した。



「覚えてろっ……戦争でお前らをぶっ潰すからな!」



なんとでも言っとけ。


この学校はなんでかワルしか集まらねぇ、今時珍しい学校だ。


そのワルしか居ねぇ学校で一番強いのが二年の俺達〝桜〟。


今日から二年。


一年の時から俺達が一番だった。