「同じ中学出身の子がいなくて、不安だったの」
そんな初々しい会話が賑やかに飛び交う人ごみをぐいぐい掻き分けて、
「えーい。負けてたまるかあー」
あたしは前に突き進んだ。
「あっ、待って、翠!」
背が低く小柄の結衣は人ごみにのまれ、もみくちゃにされていた。
「ちょいと失敬。おどき、おどき」
ぐいぐい人波を掻き分けて、あたしは最前列に躍り出た。
1年A組。
そこには、あたしの名前も結衣の名前も載っていなかった。
1年B組。
【佐東 結衣】
「おお! 結衣、発見」
そうか、結衣はB組か。
どうせなら、結衣と同じクラスであって欲しい。
B組に、自分の名前が載っていることを願いながら、視線を横に流していく。
ない。
ない。
【永瀬 恵】
違う。
【矢島 由美子】
違う。
【湯田 里沙】
全然、違う。
「あたしは吉田と申す!」
あたしのでっかい声にビビったのか、はたまた外見に引いたのか、
「……ひっ」
隣に居たいかにも近眼の、ベンゾウさんがびっくり顔であたしを見たあと、そそくさと離れて行った。
ちっ。
小心者め。
後ろを確認すると、結衣はまだもみくちゃにされ悶えていた。
「押すなあー!」
視線を、掲示板に戻す。
そんな初々しい会話が賑やかに飛び交う人ごみをぐいぐい掻き分けて、
「えーい。負けてたまるかあー」
あたしは前に突き進んだ。
「あっ、待って、翠!」
背が低く小柄の結衣は人ごみにのまれ、もみくちゃにされていた。
「ちょいと失敬。おどき、おどき」
ぐいぐい人波を掻き分けて、あたしは最前列に躍り出た。
1年A組。
そこには、あたしの名前も結衣の名前も載っていなかった。
1年B組。
【佐東 結衣】
「おお! 結衣、発見」
そうか、結衣はB組か。
どうせなら、結衣と同じクラスであって欲しい。
B組に、自分の名前が載っていることを願いながら、視線を横に流していく。
ない。
ない。
【永瀬 恵】
違う。
【矢島 由美子】
違う。
【湯田 里沙】
全然、違う。
「あたしは吉田と申す!」
あたしのでっかい声にビビったのか、はたまた外見に引いたのか、
「……ひっ」
隣に居たいかにも近眼の、ベンゾウさんがびっくり顔であたしを見たあと、そそくさと離れて行った。
ちっ。
小心者め。
後ろを確認すると、結衣はまだもみくちゃにされ悶えていた。
「押すなあー!」
視線を、掲示板に戻す。



