「補欠……補欠……」
あたしより少し高い背で、だけど、出逢った頃と比べ物にならないくらいに肩幅が広くなっていて。
ユニフォーム姿の補欠は、言葉に表すことができないほど、とにかくかっこよかった。
さすが、真夏の炎天下だ。
体力の消耗率が著しい。
「ほーけーつー」
いつもなら大声で叫ぶところだけど、さすがに出てこなくて、その代わりにタオルケットから片腕を出して、補欠に手を振った。
来たよ、補欠。
あたしも、会いたくて。
補欠に会いたくて。
だから、今度はあたしが会いに来たよ。
「翠!」
ガシャン、とフェンスに飛び付いた補欠は頭から水を浴びたように汗だくだった。
「夏井、ごめんな」
先輩があたしを抱きかかえながら芝生を斜めに下って行く。
「先輩! なんで、翠が……」
ぐいっと顔の汗をぬぐったあと、補欠は心配そうにあたしを見て目を細めた。
「大事な時に悪いな。けど、翠ちゃんがどうしても渡す物があるって」
「物?」
先輩と話す補欠を、あたしはひたすら見つめ続けた。
この際だから、一生分見ておこうと思った。
当たり前の明日なんてない、この世界。
明日がどうなるか分からない、毎日。
だから、明日何が起きても後悔しなくて済むように、見ておこうと思った。
見れば見るほど、やっぱり好きだと思った。
好きで好きで、どうにかなってしまいそうで、少しだけ怖くなった。
その優しい瞳の奥に、いっそ吸い込まれてしまいたいと思った。
あたしより少し高い背で、だけど、出逢った頃と比べ物にならないくらいに肩幅が広くなっていて。
ユニフォーム姿の補欠は、言葉に表すことができないほど、とにかくかっこよかった。
さすが、真夏の炎天下だ。
体力の消耗率が著しい。
「ほーけーつー」
いつもなら大声で叫ぶところだけど、さすがに出てこなくて、その代わりにタオルケットから片腕を出して、補欠に手を振った。
来たよ、補欠。
あたしも、会いたくて。
補欠に会いたくて。
だから、今度はあたしが会いに来たよ。
「翠!」
ガシャン、とフェンスに飛び付いた補欠は頭から水を浴びたように汗だくだった。
「夏井、ごめんな」
先輩があたしを抱きかかえながら芝生を斜めに下って行く。
「先輩! なんで、翠が……」
ぐいっと顔の汗をぬぐったあと、補欠は心配そうにあたしを見て目を細めた。
「大事な時に悪いな。けど、翠ちゃんがどうしても渡す物があるって」
「物?」
先輩と話す補欠を、あたしはひたすら見つめ続けた。
この際だから、一生分見ておこうと思った。
当たり前の明日なんてない、この世界。
明日がどうなるか分からない、毎日。
だから、明日何が起きても後悔しなくて済むように、見ておこうと思った。
見れば見るほど、やっぱり好きだと思った。
好きで好きで、どうにかなってしまいそうで、少しだけ怖くなった。
その優しい瞳の奥に、いっそ吸い込まれてしまいたいと思った。



