夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

「先輩の言う事は、絶対、だよなあ?」


う、と声を詰まらせながらも、


「も、もちろんすよ! そういう事なら!」


どうぞ! 、とまるで執事のように、彼は門に手を差し伸べた。


「先輩の特権」


ヒヒ、と悪戯に笑った相澤先輩と、


「こういう時に使うためにあるんだよな」


ハハ、と無邪気に笑った本間先輩は、眩しい笑顔をあたしにプレゼントしてくれた。


その笑顔が眩しくて、優しくて、あたしにはもったいなくて。


「あんがと……先輩」


少し、泣きたくなった。


門をくぐった先の短い階段の上は、まるで野原のように青々と芝生が広がっていた。


すごい。


応援スタンドを埋め尽くす、超満員の観客。


両校のスタンドも応援団で埋まっていた。


澄んだ青空、夏の濃い雲。


乾いたグラウンドに降りかかる霧雨のような水が、キラキラ、きめ細やかに輝く。


緑色のフェンスの向こう。


バックスタンド上の、得点板。


真っ直ぐに夏の陽射しが照り付けて、目に映る全てが光輝いて見えた。


白く輝く陽射しを、得点板が照り返す。


まるで、フォトグラフの中に飛び込んだ気分に陥った。


「うわ……まぶし……」


白い帽子のツバを少し下に傾けて、目を細めた。


県立球場を包み込むように、緩い浜風が吹き抜けて行った。




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