「え? 何? 翠ちゃん?」
連れて行って下さい。
「補欠のとこに……」
あたしを、連れて行って下さい。
母も、先生も、ダメだって、そればかり言うの。
どんなに頼んでも、許してくれないんだ。
「決勝戦、始まっちゃうよ、先輩」
先輩なら、あたしの気持ちを理解してくれるような気がして。
夏井に会わせてやりたい、そう言って、本当に会わせてくれた先輩なら、味方になってくれる気がしたの。
「母も先生も許してくんないんだ。でも、あたし……どうしても諦めらんなくてさ」
鼻をすすったら、奥がツーンとした。
「先輩、あたしのこと連れてってくんない? 球場に……補欠のとこに……連れてってください」
グズグズ泣くあたしに「いいよ」と言ってくれた後、先輩が条件を出して来た。
「今から迎えに行くよ。それまでにお母さんと先生のこと説得して、納得させとくようにな」
「無理だよ!」
声を荒げて、あたしはふたりを睨んだ。
母も、先生も、あたしの気持ちなんか分かってくれない。
「だから、先輩に頼んでるんじゃん!」
電話の向こう側で、車のエンジンがかかる音がした。
「何言ってんの、翠ちゃん」
先輩の笑い声がする。
「押してダメなら、もう一回、押してみな」
「へ? 引くんじゃなくて?」
「親や先生に反対されて諦めるなら、それくらいの気持ちしかないって事なんじゃない?」
ドキッとした。
「だから、押して押して、とことん押してみな」
あたしは携帯電話をギュッと握りしめた。
連れて行って下さい。
「補欠のとこに……」
あたしを、連れて行って下さい。
母も、先生も、ダメだって、そればかり言うの。
どんなに頼んでも、許してくれないんだ。
「決勝戦、始まっちゃうよ、先輩」
先輩なら、あたしの気持ちを理解してくれるような気がして。
夏井に会わせてやりたい、そう言って、本当に会わせてくれた先輩なら、味方になってくれる気がしたの。
「母も先生も許してくんないんだ。でも、あたし……どうしても諦めらんなくてさ」
鼻をすすったら、奥がツーンとした。
「先輩、あたしのこと連れてってくんない? 球場に……補欠のとこに……連れてってください」
グズグズ泣くあたしに「いいよ」と言ってくれた後、先輩が条件を出して来た。
「今から迎えに行くよ。それまでにお母さんと先生のこと説得して、納得させとくようにな」
「無理だよ!」
声を荒げて、あたしはふたりを睨んだ。
母も、先生も、あたしの気持ちなんか分かってくれない。
「だから、先輩に頼んでるんじゃん!」
電話の向こう側で、車のエンジンがかかる音がした。
「何言ってんの、翠ちゃん」
先輩の笑い声がする。
「押してダメなら、もう一回、押してみな」
「へ? 引くんじゃなくて?」
「親や先生に反対されて諦めるなら、それくらいの気持ちしかないって事なんじゃない?」
ドキッとした。
「だから、押して押して、とことん押してみな」
あたしは携帯電話をギュッと握りしめた。



