白球が青空から急降下して、真下で構える勇気のグローブに吸い込まれるように入った。
勇気がグローブを高く突き上げた瞬間、
「先輩!」
あたしは先輩に飛び付いていた。
「勝ったー!」
勝手に涙があふれて、もう止まらなかった。
隣で結衣と明里が手を繋いで、泣いていた。
「夏井、めちゃくちゃかっこいいよな」
と先輩があたしのとんとんさすった。
「なんだよ……ずりいよ、こんなのっ」
かっこいいにもほどがあるってもんだ。
反則だ、こんなの。
「先輩!」
補欠以外の男に全力だ抱きついたのも、抱きしめてもらったのも、相澤先輩が初めてだった。
その腕の感触は、補欠とは全然違っていて、少し、戸惑った。
嫌だと思ったわけじゃなくて。
ただ、このひとが補欠だったらいいなと、欲張りになった。
「夏井じゃなくて悪いな」
「えっ!」
先輩に心を読まれたのかと、へんにドキドキした。
「会いたいよな、会いたくないわけないよなあ。夏井に、会わせてやりたいな」
先輩は実は平成の貴重なエスパーなんじゃないかと、心臓がバクバクした。
少し間を置いて、あたしは笑いながら首を振った。
「別に。無理に会おうとせんでも、どうせ会えるし」
なんて、嘘。
本当は無茶苦茶をしてでも、今すぐに会えたらどんなにいいか。
だけど、これを口にしてはいけないような気がして、言ったら、これは実は夢だったなんて事になりかねない気がして。
言いたくても、言えなかった。
補欠に、会いたい、なんて。
勇気がグローブを高く突き上げた瞬間、
「先輩!」
あたしは先輩に飛び付いていた。
「勝ったー!」
勝手に涙があふれて、もう止まらなかった。
隣で結衣と明里が手を繋いで、泣いていた。
「夏井、めちゃくちゃかっこいいよな」
と先輩があたしのとんとんさすった。
「なんだよ……ずりいよ、こんなのっ」
かっこいいにもほどがあるってもんだ。
反則だ、こんなの。
「先輩!」
補欠以外の男に全力だ抱きついたのも、抱きしめてもらったのも、相澤先輩が初めてだった。
その腕の感触は、補欠とは全然違っていて、少し、戸惑った。
嫌だと思ったわけじゃなくて。
ただ、このひとが補欠だったらいいなと、欲張りになった。
「夏井じゃなくて悪いな」
「えっ!」
先輩に心を読まれたのかと、へんにドキドキした。
「会いたいよな、会いたくないわけないよなあ。夏井に、会わせてやりたいな」
先輩は実は平成の貴重なエスパーなんじゃないかと、心臓がバクバクした。
少し間を置いて、あたしは笑いながら首を振った。
「別に。無理に会おうとせんでも、どうせ会えるし」
なんて、嘘。
本当は無茶苦茶をしてでも、今すぐに会えたらどんなにいいか。
だけど、これを口にしてはいけないような気がして、言ったら、これは実は夢だったなんて事になりかねない気がして。
言いたくても、言えなかった。
補欠に、会いたい、なんて。



