夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

今年の初雪は病室で、結衣と明里と花菜ちんと一緒に見た。


ウエディングドレスのように純白で、天使の羽根のように繊細で、ダイヤモンドダストのように煌びやかな、濁りのない初雪だった。


その雪は、一気に季節をおし進めた。


気づけばもう年の瀬がさまり、年越しも年明けも、病室で迎える事になった。


この歳になって、初めてテレビ観戦した箱根駅伝。


夢中になった。


こんなにおもしろいなら、毎年、バラエティー番組より、箱根駅伝を見とけば良かったなんてしみじみと病室で補欠と一緒に過ごした。


年が明けてからも、入院は長引いた。


退院したのは、雪が融けて、春になった頃だった。


退院するや否や、慌ただしい日々が待っていた。


長期入院のせいで、あたしは進級が難しいかもしれないという危機に体当たりした。


でも、補習とテストを受けて、なんとかみんなと一緒に進級する事ができた。


入院、手術、退院、春休み返上の補習と追試。


目の前の事をこなして行くだけであっという間に日々は過ぎ去り、気づくと、もう初夏を間近に控えた、梅雨の季節を迎えようとしていた。


その日は、たしかに目が覚めた瞬間から違和感を感じていた。


けれど、まさか、だった。


まさか、再び南台大学病院へ送り返される事になるなんて、これっぽっちも思っていなかった。


あたしは、遊びに行った補欠の家で、貴司と洋子の目の前で倒れて救急車で緊急搬送されたのだ。


意識を戻した時、あたしの体は固いベッドの上にあった。


いわゆる、再発というやつだった。


もう、何から何まで嫌になった。


何もかもがばかばかしくて、やってられなくなった。


良性は再発の可能性が低いって、長谷部先生は言っていたのに。