夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

「相思相愛ってのは、翠ちゃんと夏井くんの事を言うんだろうね」


そう言った蓮の横顔はどこか切ない影があって、どことなく悲しそうにも見えた。


仄暗くなった公園の街灯に、ぽわっと明かりが灯った。


「なかなか居ないもんだよ。付き合っていても、ふたりみたいに想い合える関係の恋人ってさ」


愛するがゆえに、探って。


探ったのは自分のくせに、後悔して。


後悔しては、傷付け合ってさ。


それでまた後悔して。


いざ、一大事ってなった時、結局は何もできなくて、逃げて。


また後悔してさ。


それで、失ってからやっと、大切さに気付くんだよね。


「だから、羨ましいよ。翠ちゃんと夏井くんを見てるとさ」


いつも相思相愛で、そう添えて、蓮は秋の夕暮れ時の風に揺れるススキように寂しげに微笑んだ。


その時、蓮の携帯電話に着信があった。


蓮はポケットから取り出した携帯を見つめて、困った顔をした。


「ほら、探りの電話が来た」


彼女、そう言って蓮は電話で話し始めた。


はい。

うん。

今?

学校の近くの公園に居るよ。

違うよ。

友達だよ。

本当だって。

信じてよ。


困った顔がみるみるうちに歪んで、疲れきった顔になった時、