夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

「ほう。緊急なあ」


疑心に溢れた目つきで、にべちゃんが健吾を見つめる。


「諦めも肝心だぞ、健吾」


席に座ろうとしたあたしを見て、健吾が救いの眼差しを向けてきた。


「な、翠! だよな!」


クラス中の視線とにべちゃんの眼差しが、一気にあたしに集中した。


なぜに、あたしに振るんだ。


バカ健吾め。


いつもは突っぱねるくせに、こんな時だけ頼りおって。


「そうなのか、翠」


にべちゃんが聞いてくる。


しょうがねえ。


ここは、あの手で乗り切るか。


「そうなんだよ……大変だったし」


ハアーン、とわざとらしく息を吐いて、あたしはつらつらと言い訳を重ねた。


「実は……補欠と健吾と学校に向かってたら、バッタリ会ってしまったのだ……」


クラスメイトがごくりと息をのむ。


「宇宙人に」


教室内がひんやり凍りつく。


おいおい、と呆れ顔で補欠が振り向く。


「そんで、道を聞かれたのだ。嘘じゃない。まじだ」


嘘だけど。


「んで、これまた超フレンドリーな宇宙人でさ。名前がフランソワ。いやあ! 盛り上がっちまってな!」


ペラペラしゃべり倒すあたしを、結衣と明里が思いっきり笑い飛ばす。


ぺったんこのお腹をバコバコ叩いて。


「フランソワ! 知ってる! あたしも昨日会ったしな」


ゲラゲラ笑いながら明里が言い、