いつもと同じように。
「なんだよ、翠。どうした? おれは響也じゃねえぞ。間違えんなよ」
呼び止めたくせに、
「……んなこたあ、分かってら」
何をどう言えばいいのか分からず肩をすくめると、健吾があたしの頭をペンと叩いた。
「いてっ」
「何だよ。用がねえなら行くぞ。部活に遅れっから」
健吾。
なんで……そうやって普通にしてんだよ。
あたしには理解できん。
なのに……何を言えばいいのか分からん。
「じゃあな」
健吾がスタスタ歩いて行ってしまう。
ポンと背中を押されて振り向くと、補欠だった。
「補欠……」
猫背になってうつむいたあたしの額を人差し指でくいっと持ち上げて、
「大丈夫だって」
と補欠は微笑んだ。
こんな時に不謹慎だけど、ドキドキしてしまった。
「大丈夫だ。健吾は中途半端な男じゃねえよ」
「けど」
「あいつなりに答え出すだろ。このまま終わりにだけはしねえよ」
健吾はそういう男だ、そう言って、補欠は健吾の後ろ姿を真っ直ぐ見つめた。
普段口数の少ない男がキッパリ言い切る言葉には、妙な説得力がある気がする。
「なんだよ、翠。どうした? おれは響也じゃねえぞ。間違えんなよ」
呼び止めたくせに、
「……んなこたあ、分かってら」
何をどう言えばいいのか分からず肩をすくめると、健吾があたしの頭をペンと叩いた。
「いてっ」
「何だよ。用がねえなら行くぞ。部活に遅れっから」
健吾。
なんで……そうやって普通にしてんだよ。
あたしには理解できん。
なのに……何を言えばいいのか分からん。
「じゃあな」
健吾がスタスタ歩いて行ってしまう。
ポンと背中を押されて振り向くと、補欠だった。
「補欠……」
猫背になってうつむいたあたしの額を人差し指でくいっと持ち上げて、
「大丈夫だって」
と補欠は微笑んだ。
こんな時に不謹慎だけど、ドキドキしてしまった。
「大丈夫だ。健吾は中途半端な男じゃねえよ」
「けど」
「あいつなりに答え出すだろ。このまま終わりにだけはしねえよ」
健吾はそういう男だ、そう言って、補欠は健吾の後ろ姿を真っ直ぐ見つめた。
普段口数の少ない男がキッパリ言い切る言葉には、妙な説得力がある気がする。



