健吾が重いため息を落とした。
補欠はやっぱり何も言わず、静かに、健吾を真っ直ぐ見つめていた。
「好きだって言って泣いたと思ったら」
今度は手のひらを返したように、健吾が言葉を詰まらせる。
健吾が言葉を詰まらせるのは、珍しい。
いつもヘラヘラ笑ってばかりいるやつが、こう切なげに表情を歪めると調子が狂う。
初めて見た。
健吾も、こういう顔するんだな。
「今の告白は無かったことにしてくれ、って。やっぱり好きじゃないって、笑うんだからよー」
「…え」
「女ってのはむつかしーなあ」
ヒヒッと笑って、健吾は幅広い肩を小さくすくめた。
「おれ……振られたらしい」
あたしと補欠は目を合わせて固まった。
一体、何がどうなってんだ。
あたしの予感が的中していれば、ふたりは両想いのはずなのに。
「どういうことだ」
あたしが詰め寄ると、健吾は教材室の方を見つめたあと、ポケットに両手を突っ込んで、
「おれだって分かんねえよ」
ハハと苦笑いして、階段を下りて行く。
広い背中が、やけに小さくすすけて見える。
いつもは堂々としてしゃんと伸びているくせに。
補欠はやっぱり何も言わず、静かに、健吾を真っ直ぐ見つめていた。
「好きだって言って泣いたと思ったら」
今度は手のひらを返したように、健吾が言葉を詰まらせる。
健吾が言葉を詰まらせるのは、珍しい。
いつもヘラヘラ笑ってばかりいるやつが、こう切なげに表情を歪めると調子が狂う。
初めて見た。
健吾も、こういう顔するんだな。
「今の告白は無かったことにしてくれ、って。やっぱり好きじゃないって、笑うんだからよー」
「…え」
「女ってのはむつかしーなあ」
ヒヒッと笑って、健吾は幅広い肩を小さくすくめた。
「おれ……振られたらしい」
あたしと補欠は目を合わせて固まった。
一体、何がどうなってんだ。
あたしの予感が的中していれば、ふたりは両想いのはずなのに。
「どういうことだ」
あたしが詰め寄ると、健吾は教材室の方を見つめたあと、ポケットに両手を突っ込んで、
「おれだって分かんねえよ」
ハハと苦笑いして、階段を下りて行く。
広い背中が、やけに小さくすすけて見える。
いつもは堂々としてしゃんと伸びているくせに。



