夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

ダンボールの雪崩があっこをのみ込んでいく。


「キャーッ」


ゴトゴト崩れて、ドスドス積み重なっていく。


あっこの悲鳴も一緒にのみ込んでしまった。


射し込む陽光が、舞い上がる綿ぼこりを白く輝かせた。


「……うそ!」


目の前は一瞬にして閉ざされた。


崩れ落ちたダンボールが山になって、健吾とあっこをのみ込んでしまった。


「バカ」


呆然と立ちすくむあたしをそっと押しやって、補欠が飛び出していく。


「健吾! 大丈夫か?」

「あっこ!」


ふたりの名前を叫びながら、あたしたちは慌ててダンボールをかきわけた。


ただならぬ数のダンボール。


幸い、ダンボールはその9割が空箱だった。


でも、焦る。


まずい。


もし、あっこや健吾がケガでもしていたら。


あたしのせいだ。


ダンボールを寄せて行くと、健吾の広い背中が現れた。


「健吾!」


しかし、補欠が呼んでも、健吾はピクリとも動かない。


四つん這いになって、まるで傘のようにあっこを守るように。


健吾はあっこに覆い被さって固まっていた。


動かない健吾に、あたしはたまらず息をのんだ。


ケガ、してなきゃいいけど。