夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

「あれ? ……居ないね」


キョロキョロするあっこ。


「おかしーな」


とキョロキョロしながらダンボールを足元に下ろして、立ち尽くす健吾。


「あいつら、先に来てるはずなのに……」


少しの沈黙のあと、健吾がニヤリと不適な笑みを浮かべた。


「……ハッハーン。分かったぜ」


「えっ、何が?」


あっこが健吾を見上げる。


健吾が辺りをぐるりと見渡して、偉そうに腕を組む。


「さては、どっかに隠れてヤラシイことしてやがんな!」


出てこい! 、そのやたらとでかい声にドキッとした。


「「……ぶっ」」


あたしと補欠は同時に小さく吹き出した。


補欠が苦笑いする。


健吾め。


ただの野球バカだと思ってたけど、なかなか鋭いな。


あたしと補欠は目を合わせて笑った。


「出て来やがれ! ふしだらな高校生め」


健吾のイヤミたっぷりな発言が、あたしのイタズラ心に火をつけた。


シーンと静まり返った瞬間に、あたしはダンボールの陰からビヨーンと飛び出した。


「その通りじゃーっ!」



飛び出したあたしにびっくりした健吾が、目をギョッとさせて奇声を発した。


「ギャー!」


「ひゃあっ」


あっこがよろけて、積み重なったダンボールにぶつかった。


グラリと傾くダンボールの山。


あっ、と思った時にはもう、ダンボールは一気に崩れ落ちた。


「あっこ!」