夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

毎回こんなふうにくらくらしていたら、この身がもたん。


あたしはすっかり補欠に酔っ払っていて、泥酔してしまった。


くらくらするあたしを抱きすくめながら、補欠はクスクス笑っていた。


あたしは幸せの甘い甘い竜巻にのまれて、すっかり舞い上がっていたのかもしれない。


それから間もなく、開けっ放しの引き戸の方から、楽しそうな話し声と足音が聞こえてきた。


「な、あっこも思うだろ? まさかあのふたりが付き合うとは……おれは驚愕した!」


その声が健吾だとすぐに分かった。


「えー。そうかな。お似合いだと思うけど」


「だって、響也と翠だぞ! 響也、と、み、ど、り!」


なぜかあたしの名前を強調して言う健吾にむっとした。


健吾め。


カビルンルンめ。


失礼なやつだ。


「そうかな? 私は憧れちゃうなあ。夏井くんと翠ちゃんに」


「どこが!」


あたしと補欠は慌てて、無意識のうちにダンボールの陰に隠れた。


別に隠れる必要なんてひとつもないのに。


ドキドキした。


「お、開いてら。響也ー?」


ダンボールからそっと覗くと、仲良く入ってきたのはやっぱり健吾とあっこだった。