夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

「眩しいな」


「うん」


「このカーテン古過ぎだよな」


陽射しが筒抜けだ、そう言って補欠が笑った。


眩しくて、眩しくて。


補欠の瞳が陽射しを吸い込んで、鮮烈に光る。


あたしは、その貴重な笑顔にくぎづけになった。


固まるあたしに、すっと伸びてくる補欠の左手。


「すげ。キレーだな」


補欠はあたしの前髪をそっと掻き上げて、フと笑った。


息が止まるかと思った。


「翠の髪の毛。キラキラしてキレーだな」


「……」


補欠の左手が前髪から後頭部に滑り落ちて、首で止まった。


補欠があたしの顔を引き寄せる。


その瞳は近くで見れば見るほど、優しい光を放っていた。


「あ……あのさ、補欠」


「うん」


ふたりきりになると、補欠は少し強引になる。


「何を……しようと……」


だから、やたらと無駄にドキドキする。


「何だと思う?」


心臓がいくつあっても足りないくらい、ドキドキする。


当ててみ、そう囁いて、補欠は微かに微笑んだ。


唇に、補欠の吐息がかかる。


……キス、する気か。