夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

あたしは健吾の言葉をねじ伏せた。


「お前は女に重い物持たせようってのか! なんと冷たい男か」


「てか、自ら奪い取ったくせによう。意味分かんねえよ」


あからさまに不機嫌になった健吾。


「違わい! あたしじゃねえ、見ろ」


あたしは顎を突き出して、解体されていく屋台の方を指した。


向こうでは、あっこがキョトンとしてダンボールを抱きかかえていた。


「あっこにあんな重い物ひとりで運ばせる気か? 手伝ってやれ」


行こう、補欠、とあたしは看板を掴んですたすたと歩き出した。


「しっ……しょうがねえなあ」


タッと駆け出した健吾の先で、ダンボールを抱きしめたあっこが何かを察したかのように、口をパクパクさせていた。


「あっこ、大丈夫か? 手伝ってやるよ」


駆けて行く健吾の足音とどでかい声に背を向けて、あたしと補欠はクスクス笑いながら校舎に向かった。













「うわ……なんじゃこりゃ。なんか汚ねえなあ」


物、物、物。


積み重なるダンボールの山。


ほこりくさい空間と、少し黄ばんだカスタードクリーム色のカーテン。


壊れかけのホワイトボード。