キャベツを刻む手を止めて、あっこがどぎまぎした目であたしを見てくる。
あたしは苦笑いして、頷いた。
「おい、あの女、また来た」
「こないだ教室に乗り込んで来た年上女じゃんか」
しぶといな、と結衣と明里が涼子さんを睨む。
ヒソヒソ話しながら、みんなが店先を気にしていた。
あたしは気持ちを押し殺して、いそいで携帯を開き、画面を見つめた。
それでも容赦なく、耳に会話は飛び込んでくる。
容赦ない。
「え! まじですかー? 響也のどこがいいんです?」
興味津々な、健吾のでかい声。
「まだ一年だし、試合とか出てないっすよ? しかも、背番号すら貰ってないし」
「あら、岩渕くん知らないの?」
楽しそうな若菜ちゃんの声。
「夏井くんてけっこう人気あるのよ。特に、3年の女子に」
そうなのだ。
補欠は何気に人気があったりする。
補欠を嫌だというクラスの女子なんて見たことがない。
「モンチッチみたいでかわいい」
涼子さんの控えめで、清らかな声。
「えっ」
補欠にしては珍しく感情のこもった声に、あたしはとっさに振り向いた。
携帯電話を握り締めながら。
何だ……その顔。
ぼっと火がついたように赤くなった補欠の顔なんて、初めて見た。
あたしにはそんな顔したことないのに。
悔しくて、無性にむしゃくしゃして、あたしは携帯電話を強く握り締めた。
補欠のバカ。
何だ、その、無防備な顔。
そんな顔して、そんな目で、他の女見たりしないで。
あたしは苦笑いして、頷いた。
「おい、あの女、また来た」
「こないだ教室に乗り込んで来た年上女じゃんか」
しぶといな、と結衣と明里が涼子さんを睨む。
ヒソヒソ話しながら、みんなが店先を気にしていた。
あたしは気持ちを押し殺して、いそいで携帯を開き、画面を見つめた。
それでも容赦なく、耳に会話は飛び込んでくる。
容赦ない。
「え! まじですかー? 響也のどこがいいんです?」
興味津々な、健吾のでかい声。
「まだ一年だし、試合とか出てないっすよ? しかも、背番号すら貰ってないし」
「あら、岩渕くん知らないの?」
楽しそうな若菜ちゃんの声。
「夏井くんてけっこう人気あるのよ。特に、3年の女子に」
そうなのだ。
補欠は何気に人気があったりする。
補欠を嫌だというクラスの女子なんて見たことがない。
「モンチッチみたいでかわいい」
涼子さんの控えめで、清らかな声。
「えっ」
補欠にしては珍しく感情のこもった声に、あたしはとっさに振り向いた。
携帯電話を握り締めながら。
何だ……その顔。
ぼっと火がついたように赤くなった補欠の顔なんて、初めて見た。
あたしにはそんな顔したことないのに。
悔しくて、無性にむしゃくしゃして、あたしは携帯電話を強く握り締めた。
補欠のバカ。
何だ、その、無防備な顔。
そんな顔して、そんな目で、他の女見たりしないで。



