店先に立って会計をしていたのは補欠で、
「ありがとうございます」
無表情で600円を受け取った補欠に、彼女たちはキイロい声で言った。
「野球部?」
「おす」
「じゃあ、相澤くんの後輩だ」
「そっす」
「目指せ、甲子園」
「おす」
返事をした補欠の肩をなれなれしくポンポン叩いて、
「「頑張ってねー」」
と彼女たちは去って行った。
あたしは包丁を強く握り締めた。
触るな!
気安く、補欠に触るな。
そんな簡単に頑張ってなんて……言わないで欲しい。
てか、そんな簡単に左腕触らせてんじゃないよ。
なんて隙だらけの球児なんだ。
補欠の背中を睨み付ながら、じりじりと詰め寄った。
「どうした、翠。包丁、危ねえぞ」
ボウルの中身をシャカシャカかき混ぜる健吾の青いエプロンをむんずと掴んで、
「おどき!」
「ギャー」
あたしは健吾を押しのけた。
屋台の中は鉄板から立ち上る熱気と、お好み焼きの香ばしい香りが充満していた。
レジ代わりの長方形の紙箱に、補欠が600円をチャリ、と入れた。
「ちょっと、補欠!」
「ありがとうございます」
無表情で600円を受け取った補欠に、彼女たちはキイロい声で言った。
「野球部?」
「おす」
「じゃあ、相澤くんの後輩だ」
「そっす」
「目指せ、甲子園」
「おす」
返事をした補欠の肩をなれなれしくポンポン叩いて、
「「頑張ってねー」」
と彼女たちは去って行った。
あたしは包丁を強く握り締めた。
触るな!
気安く、補欠に触るな。
そんな簡単に頑張ってなんて……言わないで欲しい。
てか、そんな簡単に左腕触らせてんじゃないよ。
なんて隙だらけの球児なんだ。
補欠の背中を睨み付ながら、じりじりと詰め寄った。
「どうした、翠。包丁、危ねえぞ」
ボウルの中身をシャカシャカかき混ぜる健吾の青いエプロンをむんずと掴んで、
「おどき!」
「ギャー」
あたしは健吾を押しのけた。
屋台の中は鉄板から立ち上る熱気と、お好み焼きの香ばしい香りが充満していた。
レジ代わりの長方形の紙箱に、補欠が600円をチャリ、と入れた。
「ちょっと、補欠!」



