夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story

キャベツを刻む音と、健吾がシャカシャカかき混ぜる音が、うまい具合に混ざり合っていた。


「そんなことあるぞ。嫁さんにするなら、あっこみたいな女が」


シャカシャカかき混ぜる健吾をバッと見上げて、


「えっ!」


と大きな声を出したあっこは耳まで赤くして、目をくらくらさせた。


お……おお。


「あっ」


真っ赤な顔のあっこを見て、突然、健吾があたふたし始めた。


おお……おおお!


健吾はかき混ぜる速度を急激に上げ、ボウルから緩い小麦粉をビチャビチャ飛び散らせた。


その小麦粉が結衣のエプロンに付着した。


「健吾! ケンカ売ってんのか!」


結衣にど突かれても、健吾は全く動じず、あたふたあたふたして弁解のようなものを始めた。


「いや! 例えばの話だ! そんな深い意味ではない……のです……よ……はい」


ニヘラ、と笑った健吾。


「……っ」


アイドル顔からシューシュー湯気を噴射させて、

「分かってるわよ」


突然、あっこは狂ったようにキャベツ切りマシーンになった。


カカカカカカカ……。


おお……これは。


もしかすると、もしかするぞ。