流星には夢があって。



高校に入った頃に言っていた。



『国際弁護士になるよ』



夢を語るなんて、なんだか恥ずかしくて言えないヤツらばっかりなのに。



流星は『なる』と宣言した。



俺にはそんな強い意志もないわけで…。



「お前ってなんで弁護士目指してんの?」

「えっ?そんなの響きがカッコイイからだよ」



ごめん、流星を買いかぶりすぎていた。



まぁとにかく、俺には夢がない。



家に帰ってから昨日入学式を終え、傷だらけで顔中腫れまくってる風都に聞いてみた。



「夢?教えねぇ」

「えっ!?お前、夢あんの!?」

「ねぇよ。やりたいことっつーか、将来自分がこうなったらいいって思うもんならあるけどな」



それを夢って言うんじゃねぇの?



風都は器用だし、やればできるけどやらないヤツだからな…。



「今がよけりゃ、俺はなんだっていい」

「お前らしいな」

「ってかキモいんだけど。夢とか兄弟で語り合うって」



はいはい、撤収~。