そこからは見てられなくて目を背けた。



悠ちゃんが一方的に藤井君を殴ってて…。



近くにいた先輩が止めに入ってやっと落ち着いた。



「やめろ夏川!!」

「もういい。気が済んだ」

「藤井がなにしたんだよ…」

「お前に関係ねぇよ。なぁ、藤井、覚悟あったからしでかしたんだろ?チャラにしてやるよ」



そう吐き捨てた悠ちゃんは部室から出てあたしの手を握った。



悠ちゃんって…男だ…。



なにも言えなくて、そのまま無言で家に直行。



いつもはお互い着替えたりするのに、今日は有無を言わさず悠ちゃんの部屋…。



「おかえり、ユナちゃん」

「お邪魔しますっ!!」

「悠都、ただいま言ってないよ」



『ただいま』



そう言って部屋へ…。



ベッドに座らされたあたしは悠ちゃんに怯えた。



なに言われるのかと思えば、そのままかばんをおいて部屋から出て行ってしまった。



すぐに戻った悠ちゃんの手には濡れタオル…。