母ちゃんたちは賛成だろうと言う親父だけど、さすがにパパは怖いと…。



「あの人、いつも笑顔で人当たりもいいけどな…」

「けど…?」

「笑顔で毒吐くんだよ、あの人…」

「優しくね?」

「基本優しいよ!?親しくなればなるほど腹黒さがわかるってもんだ」



マジかよ…。



親父は公認されたいならば長谷川家に行って筋を通して来いと言った。



うちは男の親だから娘を持つ親の気持ちはわかんねぇって…。



ウジウジはもう懲り懲りなんだ。



決めたなら今行く。



筋、通して来るから。



玄関を飛び出して2軒隣の長谷川宅へ。



緊張して変な汗が出てきたけど…。



もう後戻りしたくねぇんだ。



前みたいなのはイヤだから。



押したインターホン。



顔を出したのは長谷川ママの方だった。



「どうしたの!?」

「長谷川パパいる?」

「うん、いるけど…」

「ちょっとお話が…」

「話し…?取りあえず上がって」



家に入るとユナと長谷川パパが一緒にテレビを見ていた。