けど、私のせいで結局その日には聞けなくって後日改めて聞いたんだけどね~。



なんと!!!

彩が結婚します!!!



私たちが来た白い外壁のマンションは彩たちの新居。



彩が結婚すると聞いて最初は本当に驚いたんだ。


実は、彩が悠生クンにプロポーズされたのは今回で二度目。



一度目は昨年。

彩は…断った。




理由は聞かなくても分かった気がした。



彩は“家族”に特別な意味を感じてるんだ。

私たちが中学生の頃亡くなった彩のお父さん。



彩は“家族”を失う本当の怖さを知っている……。




言い方は悪いかもしれないけど、婚姻届などの紙切れ一枚の“カタチ”にはこだわらない。


大切な人との“カタチ”はきっと他にもある。


“結婚”イコール“家族”に踏み出せなかったんだと思う。



さっき私が真吾を茶化して言った“お父さんのパンツと一緒に洗わないで!!”なんて、
そんな言葉を言える相手すらいなかったんだ。



そんな彩を私はずっと見てきた。