「朋香、汗、掻きすぎ…」
光弘が笑った。
朋香は鼻をすすりながら、
「うん、ほんと、暑いね…
…こんなに熱い気持ち、久しぶり…」
と呟いた。
「俺、朋香を背負ってる今は汗を拭ってあげられないけど、一緒に並んで歩けるようになったら、汗でも涙でも何でも拭ってやるよ。」
朋香は光弘の背中に顔をうずめた。
光弘は汗を流しながら、一刻も早く朋香を保健室に連れて行こうとした。
そして、早く朋香の今の顔を見たい。
何でこんな気持ちになるんだろう。
昨日までは、特に意識していなかった。
さっき、うずくまっているのを見ている時までは、特に意識していなかった。
辛そうな朋香を見ての同情?
いや、辛そうな人なら今までに何人も見てきた。
どうして、急に朋香に対して特別な感情が湧いてきたのだろうか。
恋愛とは得てしてそういうモノなのだろうか。
苦しそうな朋香を見ても、可哀想と想うよりも可愛いと想う。
付き合い始めた大学1年の夏、桜はとうの昔に散って、涙の洪水のような梅雨も明けていた。
光弘が笑った。
朋香は鼻をすすりながら、
「うん、ほんと、暑いね…
…こんなに熱い気持ち、久しぶり…」
と呟いた。
「俺、朋香を背負ってる今は汗を拭ってあげられないけど、一緒に並んで歩けるようになったら、汗でも涙でも何でも拭ってやるよ。」
朋香は光弘の背中に顔をうずめた。
光弘は汗を流しながら、一刻も早く朋香を保健室に連れて行こうとした。
そして、早く朋香の今の顔を見たい。
何でこんな気持ちになるんだろう。
昨日までは、特に意識していなかった。
さっき、うずくまっているのを見ている時までは、特に意識していなかった。
辛そうな朋香を見ての同情?
いや、辛そうな人なら今までに何人も見てきた。
どうして、急に朋香に対して特別な感情が湧いてきたのだろうか。
恋愛とは得てしてそういうモノなのだろうか。
苦しそうな朋香を見ても、可哀想と想うよりも可愛いと想う。
付き合い始めた大学1年の夏、桜はとうの昔に散って、涙の洪水のような梅雨も明けていた。