「いじめられてた…?」
「ああ、今はもう立場逆転したけど」
「立場逆転て?」
「前に俺のことをいじめてた奴らは、一部が病院送りで後は俺の下についたから」
「…………へぇ」
「不良みたいに群れて集まって少し強いからっていい気になってる奴は、俺、嫌いなんだ。昔は、ずっと我慢してたけど、今はもう我慢しないようにしてる」
千晴は、正直どうでもよかった。
同姓の同じ年齢が固定的なグループを作り始める、発達心理学の言葉でいうギャングエイジ。
そこでは“大人”よりも他の何より“仲間”や“掟”に重点を置く。
ギャングエイジは、こうした仲間との関係から、他人の接し方や協調性、様々な対人関係を経験して行くことになる。
不良の集まりは、そうしたギャングエイジのちょっとした延長かもしれない。
皮肉なことに、暴力や危険な年上さえ関わってこなければ、不良の集まりだってギャングエイジと同じように社会性を身につけることのできるものかもしれない。
だから、不良の集団が悪いなんて千晴には言えない。


