「いやあ、九十九さんも大学芋好きだったなんて…俺とお揃いだね〜」
そう言って近衛は、プラスチックのフォークで刺した大学芋をカリっとかじった。
コンビニで偶然にも近衛に出くわした千晴は、此処で会ったが運のつき、コンビニ前にてワンパックの大学芋を仲良く譲り合って食べることに。
思えば、高校に入ってから誰かと放課後に買い食いするなんて初めてだ、と千晴は気付く。
(これが不良の番長じゃなくて、友人だったらなあ…)
と、千晴はチラリと薄目で近衛を盗み見る。
近衛は、そんな事に微塵も気付かず美味しそうに大学芋を頬張っていく。
「あれ?どうしたの?九十九さん食べないの」
「や、い、いただきますぅう…!」
ふと近衛の視線とぶつかって慌てて千晴は視線を大学芋に向けた。
(…お、落ち着かないぃ)
びくびくしながらも震える手でプラスチックのフォークを手にした千晴はバクバクとひたすら大学芋を食べるしかない。
じいーー…。
(……っ!)
今度は、何故か近衛から食い入るような視線が突き刺さる。
(なんだなんだ…)
恐る恐る顔を上げて近衛を見遣れば、近衛は不思議そうに言ったのだ。
「九十九さんて俺と同じで、とっても恐がりなんだね」


