それゆけ、図書委員長が参ります!

−−−−−…

「ふぅ、なんだろうこの無駄な疲労感は」

 図書室を出た夕吉は、ゆっくりと旧校舎を目指して校内を移動していた。






「つくね…や、つくし?…ん?…つ、つんく?…とにかくあの子つかれるなあ」

 新しく入ったという図書委員の名前…つまり千晴を思い浮かべる。


  …徒野くん、すき

 どうしてなのだろうか。

 “すき”
 臆面もなく千晴は言う。


 自分がどういう人間なのかということを夕吉は夕吉なりに知っている。


 昔から本の世界に入ってしまうと周りのことなど見えなくなる。

 他人との関係もどうでもいいと人間関係において無関心、無感動でここまできた。

 女子から何度か告白されたことや、クラスメートから声をかけられてきたこともあるが適当にあしらってきたのだ。


 少なくとも誰かに好かれるような性格をした人間なんかじゃない。


 それなのに千晴は夕吉に好意を持つなど、夕吉にとっては疑わしく信じ難いこと。



 けれど、今の夕吉が一番信じられなかったことは…、


 (どうして旧校舎に行く前に、あの子に会いに行ったんだろう…)

 という自分がとった行動についてだった。