しばらく雨に当たっていると霊力が回復してきた。

雪女は冷水にあたり、体の温度が下がることにより霊力があがる。
この世界の雨は綺麗だな。

そんな事を考えていると後ろに気配を感じた。
私はゆっくりと振り向く。

「月華ちゃん?」

「レンさん。」

そこには驚いた表情のレンさんが居た。
そっか。ヴァンパイアは空飛べるものね。

「月華ちゃんどうしたの?雨冷たいだろ?」

ふるふると首を横に振る。

「そっか。でもそのままじゃ駄目だ。僕の屋敷に行こう。」

レンさんはそういうと私を抱き抱えた。

「え?レンさん?」

私は少し動揺して声を掛けるとレンさんは面白そうに瞳を細めた。

「捉まっていて。」

その言葉とともに一気に疾風に包まれた。