「りゅ……」 言葉が詰まって、出てこなかった。さくら並木を窓から見つめる流星は。 あまりにもここにいるのにいないかのようなそんな瞳をしている流星の姿がそこにあったから。 …彼は何を考えているんだろう?なんでそんなに悲しそうなんだろう? さわさわと風が髪を揺らし、ふたりの間を通り抜けていくから。 ますます、なんか…胸が、痛いよ…… 「莉桜」 急に、名前を呼ばれた。 「……に」