たまに。 ホントにたまにだけどみんなの前では見せない姿が見え隠れするんだ。 それがちょっと、嬉しかったりして。 「行こっかー流星」 ぐいと黒い学ランの裾を引っ張ると、「ん」とぶっきらぼうな応え。もう少しテンション上げなよな。 でもそれがまた流星らしくってあたしはそのまま三年生のクラスへと引きずった。 「莉桜…いい加減に離せ。視線を感じる」 「え」 そう言われてみんながチラチラ見てることに気がついてやっと手を離した。 クラスには既に席が決めてあり、机に名前が書いてある。