例の男子だろうか? 委員長のことだからきっと無理にでも頼んだんだろうけど。 「誰かまでは…聞き取れなかった」 苦笑しながら告げる杏。盗み聞きしてたのね…。 不意にドクンッとなぜか急に不安の波が押し寄せてきた。 鼓動がおさまらない。なにかが起こりそうな予兆。 「莉桜?どした」 「いや…」 私がこの時感じていたことが、胸騒ぎだということにその日の昼休みに気がついた。