「昨日はまじで助かった」





「けど、どうすんだよ」





「このままって訳にはいかねーだろ?」






打ち合わせ無しに、


朝早くに集まった俺ら。


深刻そうな顔をする、


輝と力哉。






「当たり前だろ」





どうにかしなきゃなんねぇ。


けど、何をしたらいいか


検討もつかねぇ。


イライラして貧乏ゆすり。


思い付いたのは。






「やっぱり…」





「里菜ちゃんに直接言うしか…」





「ねぇよな…」






3人同じ意見になり。


俺は携帯を片手に、


かけたくもない電話を


かけることにした。







『あ、十夜?』






まるで、いつものように。


まるで、彼女のように。


俺の電話に出る咲坂。






「今日の放課後、朱里を襲った奴らを集めろ」






『え、どうし…』





「は?どうしてじゃねぇだろ。いいから集めろ」






しばらく黙り込む咲坂は。


わざとらしいすすり泣きをして。







『高原さんのためなの?』






そんなことを言いやがった。


俺はもう、どうしても


普通じゃいられなくなって。







「お前、殺されたいの?」






思わず口走ってしまった。


でも、もうどうでもいいやって。


こんな奴、人間でもなんでもねぇ。


本当に、どうでもいい奴。







『十夜…』






「集めたら連絡しろ。場所はどこでもいい。俺が向かうから」






俺はぶちっと、


電話を切ってやった。