雨のち晴






「咲坂、何考えてんだよ」





『どこかの公園にいるから。自分で探してみて』





「どこかの公園って…、どういうこっ…」





『高原さん、今こうなってるの』





電話中にメールが送られてきて、


訳が分からないまま、


そのメール開く。


送り主はもちろん咲坂で。


そのメールには、写真1枚だけで。






「何だよ、これ…」





輝も力哉も。


言葉を失っていた。


その写真には、


たくさんの柄の悪そうな男たちと、


白い布のような物を口に詰められ、


抱えられている朱里の姿が写っていた。






『それが今の彼女の姿。これからどうなるのか、楽しみだね』






「いい加減にしろっ…、どこだよ。朱里のいる場所は、どこなんだよ!」





『さあ。自分で探してみて』





笑う咲坂に、


俺は殺意を覚えた。


こいつの一緒にいたのかと思うと、


俺は自分自身を疑う。






「十夜、探そう」





「こんな女、相手にすることねぇよ」





小声でそう言う2人に頷き、


電話を切った。


探すしかねえ。


朱里を助けるしかねえ。






「見つけたらまた連絡するから!」





そう言って走り出そうとする俺の


腕を掴んで。





「何言ってんだ、お前」





「俺らも探すに決まってんだろ」





輝と力哉はそう言って、


笑ってくれた。


その笑顔が、今の俺にとって


励みのほか何でもなかった。






「悪ぃ!まじ頼む!」




見つけたら俺に連絡くれ、と


言い残し、その場を後にした。


どこだ、朱里。


どこにいる。


思い当たる公園に行ってみるけど、


どこにも人1人いなくて。


考えて考えて、


考え抜いたけど。


もう他に公園は思いつかなくて。


その時、電話が鳴って。