泣いたら面倒だなと考えていると、彼女はバッと顔を上げた。 「玲王っ! 人が折角、心配してんのに!!」 と怒鳴られた。 まさか、怒鳴られると思わなかったから驚いた。 彼女は、俺を怒鳴ってしまったことに焦っていた。 それが面白くて、思わず笑った。 怖いのに、どうして追いかけて来たのか問うと。 「怖いよ。 でも、なんだか放って置けなくて......」 こいつ...、頭可笑しいんじゃないか? 普通、追いかけてこないだろ。 面白い奴だと、声を出して笑った。 すると、彼女も俺につられて笑った。