根気強く郁斗に教えていると、 「楓ちゃん、もう来てたんだ? 早いね」 由樹がイヤホンを外しながら部屋に入ってくる。 そして、もう1人。 「郁斗が勉強なんかしてる!!」 目を丸くして、机に駆け寄ってくる。 「うるせえ玲王」 鬱陶しそうに手で払う。 うるさいと言われ、少し不機嫌になる玲王。 子供かよッ。 「ほらほら、玲王落ち着いて。 玲王も、少しは勉強したら?」