「失礼します」

「…失礼します」


私は先生と一緒に理事長室にきた。

理事長に私達は呼ばれた。

理由は何となく分かっている、だから私も先生もここまで黙ってきた。

きっと‥梓煕先生はとても不利な状況。

先生が先生でいられなくなるかもしれない…、私の頭の中は不安でいっぱいだった。


「お呼びでしょうか」


先生は無表情で窓の外を眺めている男の人に話しかけた。

男の人は振り向いた。

その人は先生に負けないくらいカッコいい人だった。


「いきなり呼び出してすまない」


男の人は微笑み「座りたまえ」とソファーを示した。

先生は「失礼します」と言いソファーに座ると口パクで私に『すわれ』と言っていた。

私は慌ててソファーに腰を下ろした。