私はルウ君に言われた通りに「お菓子部」と書かれている教室の前に来ている。

ドアを開けていないのに、ふわりと優しく甘い匂いがした。


「‥あのー…」


私はドアを開けた。

さっきまでとは違って、身体をも包むような甘くいい匂いがする。


私はドキッとした。


窓から注がれる光に、1人のシルエットがあった。


「来たか」

そこにいたのは‥梓煕先生。

先生は微笑み優しい声で言う。

「ようこそ‥お菓子部へ」