泣いて、泣いて、泣きつくして、ようやく我に返ったのはもう日が暮れかけた頃で。
助けてくれた男性はずっと私の肩を抱いていてくれたらしい。
自分だって寒いはずなのに、ずぶ濡れになったままの私に自分の上着を着せてくれて…ずっと私の隣にいてくれた。
それが、私にとってどれだけ救いになったかなんて…言葉にすらできない。
「一人か?」
「友達…と子供二人、」
体の震えは寒いからなんかじゃなかった。
恐怖で体がすくんで震えるなんて初めてで…どうしたらいいかもわからずにどうにか単語単語で言葉をつなげた。
「とりあえず避難所に行こう。きっと友達も子供達も避難所にいる。」
津波で流された人、しかも子供を連れためぐみが助かったとは思えなかった。
それでも助かったって思いたかった。
右手で握ったあの小さい左手の感触を思い出してまた涙が止まらなかった。
どうか、無事でいて…
それしか願えなかった。

