最初は何が何だか本当にわからなかった。
「……なんか音しない?」
先に気付いたのはめぐみだった。
地面から低い地鳴りみたいな音がして、それからはすぐだった。
最初は下から突き上げるような衝撃がきた。
それからすぐに小刻みな横揺れ、それが大きく横に揺れて立つことすらできなかった。
「立たないで、そのまましてなよ!」
子供達のところに行こうとしていためぐみに私は叫んだ。
揺れがおさまらないと…それしか頭になかった。
徐々に小さくなる揺れにようやく立ち上がって私は子供達が寝ている隣の部屋にめぐみと慌てて向かった。
「大丈夫?痛いところは?」
地震に驚き泣きじゃくる二人の小さな子供達を抱きしめて、震える体を無理矢理に動かして物が溢れる部屋から離れようと立ち上がった。
「とにかく出よう!また絶対余震くるから!」
「わかった…わかったけど、」
「考えてる暇ないって!」
まだ一歳の下の子を抱いたまま動けないめぐみの手を引っ張り起こして、私も三歳になる上の子を抱き上げて部屋を飛び出した。
玄関の扉を開けた途端に余震とは思えないような揺れ。
揺れてる中で玄関に子供達に覆いかぶさるようにうずくまる私とめぐみ。