お年寄りの方々も年配の方々も、若い方々も…小さな子供達も身を寄せ合う姿は都会には見られない姿ばかりで、狭い町ならではの光景にほんの少しだけど気持ちが安らいだ。


「お姉ちゃんさむい?」


私は掛けていた毛布が引っ張られるような感覚に視線を下にずらした。
四歳くらいの女の子が大きな目を私に向けていたのに気付いて体を折り曲げて視線を女の子と合わせた。


「さむい?」

「大丈夫……お名前は?」

「りえ!お姉ちゃんは?」


小さい手が震えているのが見えた。
怖いはずなのに、こんなに小さい子供が笑顔でいる事…今までメソメソと泣いていた自分が恥ずかしかった。


「あゆみ…みんなはあゆって呼ぶよ。」

「あゆお姉ちゃん?」

「そうだよ。りえちゃん寒いでしょ、これ掛けて。」


子供達が頑張ってるんだから、大人の私が頑張らなくてどうするんだ。

そう思い直した。
新田さんが掛けてくれた毛布をりえちゃんに掛けて、頭を撫でた。


「りえちゃん、お母さんとお父さんは?」

「パパはいるよ!ママはどこか行っちゃったの。」


りえちゃんの声と表情に私は声が出なかった。