それでも私は生きている





避難所に着いた時には真夜中。

停電、断水、電波塔の崩落、ライフラインと呼ばれる物は何も残っていなかった。


私を助けてくれた男性は奥さんもお子さんも津波に呑まれて安否不明なままで…そんな状態で見ず知らずの私に付き添ってくれていたらしい。



「……ありがとうございます」

「良い良い、こんな時はみんな一緒だから。」


優しくて、何より暖かい言葉だった。自分も大変なのに他人を気遣えるこの人は本当に優しくて暖かくて……人間って捨てたもんじゃないって思えた。


「寒いかもしれんけど…しばらくの辛抱だからな。」


そう言ってまた肩を抱いてくれた大きな手は私は絶対に一生忘れる事はないだろう。


避難所になっている学校の体育館に入って私はまた愕然としてしまった。
避難所から人が溢れるんじゃないかってくらいの人混みで、私と同じように被災して行き場のない人がこんなにいるんだと改めて思った。