「ああ。案ずるな」

「いってらっしゃい。」

瑠璃はそっけなく別れを告げる。なぜこやつはわしをここまで不安にさせるのじゃ。

思わず瑠璃の儚い背中を抱きしめた。

「なぜないておる？」

「な、泣いてなんかないわ！」

まだ意地を張る瑠璃。
やはり面白い女じゃ・・・

「くく・・・おぬしは本当に愉快な女じゃのう。すぐに帰ってくる。」

「うん。」

「そうじゃ。帰ってきたらおぬしに伝えたいことがあるのじゃ。」

わしの思いを伝えたい。

「伝えたいこと？」

不思議そうにつぶやく瑠璃。

「ああ。だからわしの帰りを待っておれ。」

「うん。待ってる。」

力強く頷く瑠璃を見届けてわしは仙樹のもとへ向かった。