わしに抱きついたまま目をきつく瞑っている瑠璃。

やはり・・・愛おしい・・・

「おぬし案外甘えん坊じゃの」

「へ・・・?ってきゃあ!
ご、ごめんなさい!!」

驚いておりようとする瑠璃の腕を掴んだ。

「ふむ。この状態もなかなかよい。そのまま話しを聞くのじゃ」

「うう・・・」

渋々ながらも瑠璃はわしの膝の上で話しを聞く気になったらしい。

本当に面白い女じゃ。

「まず、桜乙女のことだが、桜乙女とは瑠璃、おぬしのことじゃ。」

「ふえ??わ、私!?」

無自覚だったのだな・・・

「うむ。おぬしの桜色の瞳、そしてわしを夢の主と見抜いた力。まさに桜乙女じゃ。」

「え・・・でも刹那を夢の主と思ったのはなんて言うか・・・直感みたいなもので・・」

「その直感こそおぬしの秘められた力なのじゃ。」

「私の・・・秘められた力・・・」

「少し長くなるが聞いてくれるか?」

こくんと頷いた瑠璃を見て話し始めた。